みちてる、みちてた。

ここにいるのにここがどこだかわからなくなるから、書き留めています。Twitter→(@yoshi_mi24)

ノートに書き残すのは「知りたくて、取り入れたくて、活かしたいから」内側に。

 書くことが好き。字は汚いし、要点は絞れないし、呆れるほど時間がかかるけれど。

 

 主に本の内容を書き残したくなる。

 

 勉強をしてこなかったこと、学歴・学力コンプレックス、また「忘れやすい」と「覚えられない」を発動しやすい性質に劣等感がある。だから賢くなりたい憧れが強いのだが、それより何より自分の内側に取り込みたいのだ。

 

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 人に言われてはじめて気づくことが多い。「押してダメなら引いてみる」の発想が思いつかず、押したまま日が暮れるタイプである。ゆえに、「引いてみたらどうだろう?」と己にはない視点からの助言に感銘を受け、大げさなくらい放心して立ち尽くしたりする。(ときに助言をもらっても、意地になって押し続けるようなひねくれ者でもある)

 

 しかし悲しいかな、「押してダメなら引いてみる」を異なる場面では応用できない。そのときと同じシチュエーションであれば「あっ!」と気づける可能性はあるが、臨機応変に対応するのが苦手なのだ。

 

 私の頭にどれくらいの知識が蓄積されているのか謎だが、フォルダ分けができていないように感じる。「すべて」がとは言い過ぎだと思うけれど、大半が個別案件として収納されているような感覚……って伝わるでしょうか?

 

 たとえば、どなたかの偉人伝を読んだとする。同じ人物についての偉人伝を5冊読んだとき、それを統合する力が乏しい。つまり偉人Aさんのフォルダに5冊をまとめて収納できず、一冊一冊を新刊コーナーに並べてる感じ……って今思いついたこのたとえが伝わる気がしなくて、下唇を噛み締めています。

 

 あとはよく、自分の脳内倉庫が穴の空いた水風船みたいに感じる。聞いたそばからピューピュー情報が漏れ出ているんじゃないかと。

 だから書き残したくなる。この内容をもっと知りたい、己の内側に取り込みたい、活かしたいし忘れたくないと書き残す。

 

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 現在は、伊藤亜紗さんの『手の倫理』をノートに書き残している。



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 知りたくて、取り入れたくて、活かしたくて内側に。

 

 おそらく、書き残しても忘れてしまうのだろう。自分の文字を読み返したときには、まるではじめて読むような新鮮な気持ちで感銘を受け放心するにもかかわらず、哲学者ひとりの名前すら覚えていられなくて、しまいには書き残したルーズリーフをどのファイルに挟んだのか、頭の中だけではなく実物のファイル分けもうまくいかない。

 

 忘れたいわけでも覚えたくないわけでもない。忘れたくなくて覚えていたいから、書き残す。感銘を受けたその瞬間にも嘘はない。なのに、漏れ出ていく。自ら逃してそのまま忘却したい出来事ほど、よく覚えているのはどういうことだろう。「理不尽じゃないか」と自分にクレームをいれたい。

 もちろん「すべて」がこのケースに当てはまるわけではないにしても。

 

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 伊藤亜紗さんの『手の倫理』という本の存在は昨年から知っていた。どなたかがTwitterで記した感想が流れてきたのをきっかけに、著者である伊藤亜紗さんの存在が気になるようになった。

 

 先日『ひび割れた日常』という奥野克巳さん、吉村萬壱さん、伊藤亜紗さんによるリレーエッセイ形式の本を読み、「( ゚д゚)!」←まさにこんな顔になった。

 

 

 お三方の専門分野は異なるものの、それぞれの視点から引き出されるエピソードには点と点を結ぶような発見があり、「押してダメなら引いてみる」に行き着かない思考回路を持つ自分には強烈な面白さだったのだ!

 この余韻が冷めぬうちに、伊藤亜紗さんの『手の倫理』を読みたくなった。

 

 『ひび割れた日常』の中で伊藤さんは、類似性にすがることにより人は相手を排除しようとする反面、似ていない相手とのあいだに類似性を見つける能力も私たちにはあるといった内容を記されていた。

 そして同書で、実際に伊藤さんのエッセイから「類似性を見つける」姿勢を見たのだ。

 

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 本日1時間半ほど、福祉関係の方と話をしてきた。

 

 自分の体調や通院歴などを自分の口から説明する必要があるのだけれど、もはや私は私が普段どんなふうに生活しているのかそれさえも咄嗟に思い出せない。

 

 日記を書いているにもかかわらず、毎日肝心な記録をしていないような気がしてならないのだ。いつも“肝心な何か”が漏れ出てしまっているのではないか。そんな自信のなさがさらに、自分を説明できなくさせていく。「これで合ってますか?」と逆に尋ねたくなる。相手は初対面の人だというのに。

 

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 書くことが好き。字は汚いし、要点は絞れないし、呆れるほど時間がかかるくせに書いたことすら忘れてしまう可能性が高いけれど。

 

 感銘を受けたその瞬間に嘘はないのだから。