みちてる、みちてた。

ここにいるのにここがどこだかわからなくなるから、書き留めています。Twitter→(@yoshi_mi24)

夏のような日差しに、プールサイドの少女が脳裏に浮かぶ。

 9月も下旬に入る。

 吹く風の心地よさや、それに運ばれてくる金木犀の香りに季節の移ろいを体感していたかと思えば、額に汗かく夏の日差しが戻ってきた。

 

 玄関の外、頭にキャップをかぶせ何気なしに空を見上げたとき、プールサイドで真夏の太陽を背にこちらを振り向く少女の姿が脳裏に浮かんだ。

 

 それは燃え殻さんの小説『これはただの夏』に出てくる一場面を切り取った映像だった。

 

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 8月中に読んだ同小説。

 読み終えた直後の余韻に浸るなか、

 

 

 

 と感想にもなっていないつぶやきを残したままにしていた。

 

 面白った。とても。

 だけど、「面白い」というより「愛しい」のほうが感想として近かった。駆け抜けていった夏が、主人公のボクが明菜が優香が大関がとても愛しくなる物語だった。

 

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 あんなに濃密な時間を過ごしたのに。

 「まるで家族みたい」に共有したのに。

 「みたい」だけがぽつんと残されて。

 さびしさの穴は出会う前も後も変わらず胸に空いたまま。

 しかし「あの夏の続きを」とは誰が申し出ることもないのだろう。

 さびしさの穴は出会う前も後も変わらず胸に空いたままではあるけれど、美しい夏。プールサイドでこちらを振り返る明菜は格段に、涙が出るほど眩しい。

 

 

 また感想になってもいないような文になっている……。

 

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 明日から気温が下がり、夏が遠ざかるスピードは加速していくと思いますが、燃え殻さんの『これはただの夏』、冬になってもおすすめしたい小説です。